「イエン・トゥー=ヴィン・ニィエム=コン・ソンおよびキエップバックの記念碑と景観の関連遺産群」は、2025年にユネスコの世界文化遺産に登録された、ベトナムの新しい遺産です。
この遺産群は、単なる歴史的建造物ではなく、13世紀にベトナムで生まれた仏教宗派「チュック・ラム(竹林禅派)」の発祥と発展に深く関わる、ベトナムの精神文化の聖地です。
4つの主要な構成要素と見どころ
この世界遺産は、ベトナムのクアンニン省、バックザン省、ハイズオン省にまたがる4つの主要な場所で構成されています。
1. イエン・トゥー
チュック・ラム禅派の開祖である陳朝第3代皇帝が出家し、この地で修行したことから、ベトナム仏教の総本山とされています。山岳信仰と仏教が融合した神聖な雰囲気に満ちています。
2. ヴィン・ニィエム
チュック・ラム派の中心的な寺院であり、経典の木版が数多く保存されていることで知られています。当時の仏教文化を今に伝える貴重な場所です。
3. コン・ソン
チュック・ラム派の創始者の一人、フエ・クアン・グ・ザ・タンの墓がある場所で、多くの思想家や詩人が訪れた精神的な場所です。
4. キエップ・バック
陳朝時代の英雄、チャン・フン・ダオ将軍が拠点とした場所です。モンゴル軍の侵攻を撃退した軍事拠点であり、ベトナムの独立と民族のアイデンティティを象徴する場所として深く敬われています。
登録の意義
この遺産群が世界遺産に登録された最大の理由は、ベトナム仏教と民族のアイデンティティが結びついた独自の文化景観である点にあります。チュック・ラム禅派は、ベトナムの人々の思想や信仰に大きな影響を与え、国の精神的な支柱となりました。
ベトナムの歴史や文化、そして人々の精神性に深く触れたいと考える旅行者にとって、この新しい世界遺産は非常に興味深い訪問先となるでしょう。
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